外壁が劣化したときには張り替えるしかない、と思っていませんか?

外壁リフォームには張り替え以外にも、既存の外壁の上に新しい外壁材を張る「カバー工法」と呼ばれる方法があります。

今回は、外壁のカバー工法の概要やメリット・デメリット、成功ポイントを解説します。

外壁のカバー工法とは

外壁のカバー工法とは、今ある壁を撤去せずに、そのままの状態で上から新しい外壁材を重ね張りする外壁リフォームの方法のひとつです。古くなった外壁のデザインを一新できるのがカバー工法の特徴です。

カバー工法が適している・適していない外壁

カバー工法が適しているのは、塗装では対応できない程度に劣化が進んでいる外壁や、塗装と補修費用を合わせるとカバー工法よりも高くなってしまう状態の外壁です。

一方既存の外壁の劣化がひどく、雨漏りするなどして下地まで痛んでしまっているケースではカバー工法は適していません。下地からやり直す必要がある場合には、張り替えを検討しましょう。

外壁をカバー工法でリフォームする3つのメリット

外壁をカバー工法でリフォームするメリットは、以下の3点です。

・張り替えるよりもコストを抑えられる

・工期が短くて済む

・断熱性や遮音性が向上する

順番に解説します。

張り替えるよりもコストを抑えられる

外壁をカバー工法でリフォームするメリットは、張り替えよりもコストを抑えられることです。

外壁を張り替える場合、既存の外壁を取り壊し、撤去する必要があります。外壁を撤去するには時間がかかり、作業する人員や廃材の処分も必要で、当然そのぶん費用がかかります。

その点カバー工法であれば、既存の壁の撤去にかかる費用は不要になるため、費用が安くつくのです。

工期が短くて済む

カバー工法は、既存の壁を撤去する時間が必要ないため、ほかの工法と比較すると工期が短くて済むのもメリットです。

一般的には塗装や張り替えと比較して、2〜3日程度は短くなります。

断熱性や遮音性が向上する

カバー工法では、既存の外壁を残したまま新しい外壁材を重ね張りするので、外壁が二重構造になります。

そのため熱や音を室内に通しにくくなり、断熱性や遮音性が高くなるのがメリットです。

外壁をカバー工法でリフォームするデメリット

外壁をカバー工法でリフォームするデメリットは、次の3つです。

・外壁が重くなり耐震性がやや下がる

・使用する外壁材の種類が限られる

・下地の状態を確認できない

順番に確認しましょう。

外壁が重くなり耐震性がやや下がる

カバー工法では、既存の外壁材を撤去することなく新しい外壁材を重ね張りするため、そのぶん重量が増し耐震性が下がります。建物は軽いほうが、地震が発生したときにかかる負荷が少なくて済むためです。

家は、建てられるときに耐震設計がされています。カバー工法でリフォームすることで耐震性に大きな影響がないかは、事前に十分確認しましょう。

使用する外壁材の種類が限られる

カバー工法では家の重量の増加をできるだけ抑える目的で、できるだけ軽い外壁材を選ぶのが鉄則とされています。そのため基本的には、軽量な金属系サイディングが選ばれることがほとんどです。

金属系サイディングは、窯業系サイディングと比較するとデザインのバリエーションが少ないため「好みの外観にしたい」と考えている人にはデメリットになるでしょう。

下地の状態を確認できない

カバー工法は既存の外壁を撤去しないため、下地の状態を確認できないのもデメリットです。

外壁を張り替える場合、既存の外壁を取り払うことで、雨漏りの有無や下地の劣化具合を確認できます。傷んでいるようなら新しく下地から作り直すことも可能です。

しかしカバー工法では、そのまま重ね張りしていくため下地がどのような状態なのかがわかりません。見た目は新しくなるものの、下地から刷新されるわけではない点には注意が必要です。

外壁のカバー工法を成功させるポイント

上で述べたとおり、カバー工法では耐震性を考慮したり、既存外壁の下地の状態を把握したりする必要があります。そのためカバー工法の住宅への影響や現在の家の状態をきちんと見極めてくれる業者を選ぶことが大切です。

もし間違った判断をしてしまうと、見た目はきれいになったものの、内部の劣化がどんどん進行して家の寿命に影響する可能性があります。そのようなことにならないよう、家の構造を熟知した業者を探しましょう。

まとめ

カバー工法は、張り替えよりもコストを抑えられる、工期が短くて済むなどメリットが多い工法です。その一方、下地の状態を確認できなかったり、耐震性が下がったりするリスクもあります。

カバー工法で失敗しないためには、住宅の構造を理解したうえで、正しい判断ができる業者を選ぶことが大切です。新築の施工も承っている祢冝田建設では、耐震性や現在の家の状態を考慮したうえで適切なご提案が可能です。外壁の劣化が気になっている方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。