2022年の梅雨は非常に短い期間で終わりましたが、長期的に降り続く雨は、外壁とってよい影響を与えません。

というのも、雨は外壁などの劣化を促す要因となるためです。

外壁や屋根は、通常、雨などの外的要因から建物を守る役割を担っていますが、長期に渡って影響を受け続けると、建物へのダメージは避けられません。

そこで今回は、外壁や屋根が雨によってどのような影響を受けるのか、また梅雨が明けたらやっておきたいことなど、詳しく解説したいと思います。

梅雨の雨は外壁劣化の要因のひとつ

雨は、外壁や屋根の塗装を劣化させる要因のひとつです。

雨などの外的要因が、外壁や屋根などの塗装に対し、どのように影響を与えるのか簡単にご紹介いたします。

雨は汚れを運んでくる

通常、屋根や外壁、ベランダなどに雨が降り注ぐと、樋を通じて外部へと運ばれていきます。

その過程で汚れなども一緒に運びますが、庇やサッシ枠のように、雨が流れるルートとなる部分には雨だれが生じることがあります。

また、外壁や屋根の凹凸部分には、汚れが堆積し、こびり付いてしまうケースも少なくありません。

外壁や屋根に付着した汚れは、塗膜と化学反応を起こしたり、あるいは熱を含んだりすることで、少しずつ劣化が進行します。

そして、外壁や屋根の塗膜の劣化は、本来有している防水機能を損ねてしまいます。

防水機能が低下した状態が続くと、建物にとって大敵である水分の侵入を許し、木材の腐れやシロアリ発生などにつながるのです。

雨は藻やコケを繁殖させることがある

雨が降って、外壁や屋根に水分が残る状態は、藻やコケを繁殖させる原因となります。

水分が残る状態は、とくに日当たりが悪い北側面で起こりやすく、雨が上がっても湿っていることがあります。

また、塗膜の劣化が生じている場合は、防水機能が低下し、雨が降った後は基材が吸水している可能性があるため、注意が必要です。

屋根や外壁に水分が残った状態で、藻やコケの胞子が付着すると、環境によってはそこで繁殖することがあります。

屋根や外壁に藻やコケが繁殖すると、根を張り、常に湿った状態が続くため、劣化はますます加速しやすいのです。

梅雨が明けたらやっておきたいこと

梅雨が明けた後は、雨の影響を受け、ダメージを負っている可能性があります。

そのため、梅雨明けのタイミングで、適切なお手入れをしておくことをおすすめいたします。

梅雨明けのタイミングでやっておきたいお手入れとは、「洗浄」です。

梅雨の雨により、屋根や外壁の凹凸部分などには汚れが付着していると思われます。

そのため、ホースを使い、建物全体を水で「洗浄」することで、堆積している多くの汚れを取り除けます。

ホースで落とせない汚れは、ブラシでこすったり、高圧洗浄を使ったりすると落とせることがありますが、これらの方法は塗膜を傷めるため、プロの業者に依頼するほうがよいでしょう。

また、藻やコケが根付いている場合は、薬剤や高圧洗浄などを使ってしっかりと除去しなくてはなりません。

その場合は、既存の塗膜を傷めることにつながるため、一般的に塗装の実施を併せて検討することになります。

なお、その際には、防藻、防カビ機能を付加した塗料を使うと、再発防止となります。

劣化を放置するリスクについて

外壁や屋根の劣化を放置すると、建物に重大なダメージを与える可能性がありますが、とくに注意しておきたいのは「雨漏り」です。

外壁や屋根の塗膜が劣化すると、防水機能が低下し、基材が吸水するようになります。

その状態を放置すると防水シートやその下地などが傷み、さらに進行して重要構造にまで及ぶと、耐久性の低下を招く恐れがあります。

つまり、建物の寿命を縮めかねないということです。

そのため、外壁や屋根は、定期的に点検を行い、劣化の状況に応じて塗装などのメンテナンスを実施することが重要になります。

とくに梅雨明けの時期は、雨の影響を受けて重大なダメージを受けているかもしれません。

メンテナンスのタイミングが近いようなら、台風シーズンが来る前に定期点検を依頼しておくとよいでしょう。

まとめ

雨は、外壁や屋根の劣化を促す重大な要因のひとつです。

しかし、劣化状況を把握し、状況に応じて適切なメンテナンスを実施することで、長く快適に暮らしていくことが可能となります。

長期間降り続く梅雨の雨は、建物にとって重大なダメージとなる可能性があります。

まずは、建物の点検を行い、劣化状況を確認してみてはいかがでしょうか。