戸建て住宅の外壁は、日常的に雨や紫外線などの影響を受け続けていることから、他の部位よりも劣化が進行しやすく、定期的なメンテナンスは必須となります。

そして、外壁のメンテナンス時に多く使われている外壁仕上げ材といえば、「ガルバリウム鋼板」などを用いた「金属サイディング」が挙げられます。

そこで今回は、「金属サイディング」とは具体的にどのようなものなのか、また「金属サイディング」で多く使われている「ガルバリウム鋼板」の特徴についても詳しく解説したいと思います。

そもそも金属サイディングとは

現在、戸建て住宅の外壁仕上げ材として主流となっているのはサイディングであり、大きく以下の4種類があります。

・窯業サイディング

・金属サイディング

・樹脂サイディング

・木質サイディング

これらのうち最も高いシェアを占めているのは窯業サイディングで、新築戸建て住宅では70%以上が採用されています。

一方、外壁リフォームで主流となっているのは、金属サイディングです。

金属サイディングは、表面材に金属製の板を用いた外壁仕上げ材であり、多くは硬質プラスチックフォームなど断熱材を芯材として使用し、一体化しています。

金属サイディングの種類

金属サイディングは、おもに以下のような種類があります。

・ガルバリウム鋼板

・亜鉛めっき鋼板

・アルミニウム合金

・ステンレス鋼板

これらのうち金属サイディングとして中心となっているのは、性能面に優れる「ガルバリウム鋼板」です。

また、屋根材についても金属製のものが多く使われており、外壁材と同様に「ガルバリウム鋼板」が主流となっています。

金属サイディングを使ったメンテナンス方法

既存の住宅において、長く快適に暮らしていくためには、定期的にメンテナンスを実施していくことが重要なポイントとなります。

メンテナンスの方法としてまず挙げられるのは「塗装」ですが、その他にも金属サイディングを使った「カバー工法」や「張り替え」などの方法もあります。

「カバー工法」とは既存の外壁の上に新たな金属サイディングを重ね張りする方法をいい、「張り替え」とは既存の外壁を撤去して新たな金属サイディングに張り替える方法です。

これらはいずれも、建物の長寿命化を図るうえで優れた方法となります。

ガルバリウム鋼板の特徴について

ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムを55%、亜鉛を43.4%含む、「アルミニウム亜鉛合金めっき鋼板」のことをいいます。

アルミニウムと亜鉛のよい部分を併せ持つ金属であり、あらゆる用途で広く使われています。

<H3:ガルバリウム鋼板のおもな特徴

ガルバリウム鋼板は、住宅建材として非常に優れた特徴があります。

おもな特徴とは以下の通りです。

・錆びにくい

・軽量

・高耐久

錆びにくい

ガルバリウム鋼板は、金属でありながら錆びにくい素材となります。

金属の錆びは、一度発生すると範囲をどんどん拡大させていく非常に厄介なものですが、錆びにくいガルバリウム鋼板は、外壁材や屋根材としても扱いやすい素材となります。

ただし、錆にくいとはいえ、錆びないわけではないため、キズやへこみが生じた場合は適切な処置が必要です。

軽量

ガルバリウム鋼板は、非常に軽量な素材となります。

そのため、施工性に優れ、工期短縮や施工費削減を図ることが可能です。

また、軽量であることで、建物の耐震性向上に有利となります。

というのも、建物の地震発生時の揺れへの耐性は、建物自体の重量に大きく影響を受けてしまうためです。

よって、ガルバリウム鋼板は、重い窯業サイディングなどよりも、耐震性を高めることが可能となります。

高耐久

ガルバリウム鋼板は、非常に高耐久な素材となります。

アルミニウムと亜鉛の成分を有することで高い強度を発揮できるうえ、収縮が少なく、地震発生時の揺れの影響を受けにくい特徴があります。

また、外的な要因によって破損しにくいなど、耐久性に優れる金属です。

ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法

ガルバリウム鋼板は、お手入れが非常に簡単なことも特徴のひとつとなります。

ガルバリウム鋼板のおもなメンテナンス方法は、以下の通りです。

・清掃

・塗装

清掃

ガルバリウム鋼板は、高耐久な素材とはいえ、外部にあることから劣化の原因となる多くの汚れが付着します。

年に1~2回程度を目安とし、軒下など乾燥しにくい場所を中心にホースで水をかけるだけでも多くの汚れを洗い流せます。

落ちにくい汚れは、中性洗剤を使用するか、あるいはプロの業者に依頼するとよいでしょう。

塗装

ガルバリウム鋼板の表面は塗装仕上げとなっています。

金属サイディングは、耐久性の高い「フッ素塗料」などが使われているケースが多いとはいえ、経年による劣化は避けられません。

10~20年程度を目安とし、状況を見きわめながら塗り替えを行うとよいでしょう。

まとめ

金属サイディングは、とくに外壁リフォームで人気の外壁仕上げ材となっています。

なかでも、ガルバリウム鋼板が多く使われており、また近年では、より高性能なエスジーエル鋼板なども登場しています。

お手入れが楽で、長期的な美しさを保ちたいという人は、金属サイディングを使ったリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。