大切な家族の一員であるペットにとっても快適な暮らしが出来るように、リフォームやリノベーションをしたいと思っておられる方は少なくありません。よく考えられて、適切に行われたリフォームは、人間にとっても、ペットたちにとっても居心地の良い自分だけの安心できる家をつくることが出来ます。

ペットと暮らすマンションのリフォーム:ドッグランやペットトイレの設置方法

ペットと快適に暮らすための家にリフォームするうえで、特に、ドッグランの設置方法や、必需品とも言えるペットトイレの設置方法について、ご紹介したいと思います。

1.快適にペットと暮らすためのドッグランとペットトイレの設置方法

私たち人間にとっても、快適な家にするうえで間取りや導線が重要になるのと同じように、ペットにとっても快適な家にするためには、間取りや導線を考えた家にリフォームする必要があります。ペットの健康に関係するドッグランやペットトイレをマンションリフォームでどのように設置すると良いのか、方法をご紹介したいと思います。

■ペットが楽しめるドッグランの設置方法

小型犬であれば、マンションであっても充分に走り回れるドッグランスペースを確保することが出来るかもしれません。例えば、ひと部屋ドッグランスペースにするよりも、出来るだけスペースを広く確保するために、室内を囲む土間のようなスペースを設ければ、家中を走りまわることが可能です。廊下や窓沿いのランドリースペース兼ドッグランスペースにすれば、間取りも無駄になりません。

ドッグランを設ける際には、床の素材を意識しておきましょう。滑りにくい素材を選ぶことに加え、クッション性のあるものを選べば、ペットの足への負担を軽減出来ます。また、下階への足音対策に、リフォームの際に防音建材を入れてもらうことで、ドッグランでペットが思いっきり走り回っても音を気にせずにすみます。

また、マンションによっては共用部分ではない、専用庭や専用バルコニーがあるので、人工芝などを敷いて、庭にドッグランを設けることも出来ます。専用庭でも禁止されているところもあるので、マンションの規約を確認したうえで設けましょう。

■安心できるペットトイレの設置方法

臭いや衛生面が気になるペットトイレは、空いたスペースに設置するのではなく、リフォームの際に事前に場所を決めておくことで、ペットが安心して使えるうえに、邪魔になることもなく、部屋の美観を損ねることも防げます。

ペットトイレのために、専用の半畳ほどの空間を作ることが出来ます。小型犬や猫であれば、高さが必要ないので、収納の下部部分だけをトイレスペースとして取り分けることも出来るかもしれません。その際には、壁にキッチンパネルなどサッと水拭きしやすい素材や消臭効果の高い素材を選ぶことで、清潔な空間を保ちやすくなります。また、集合住宅であるマンションの場合は特に、臭い問題も意識しておきましょう。人間のトイレと同様に換気扇を設けて、臭い対策を行うことを忘れないようにしておきましょう。

さらに、人間のトイレスペースを広くとり、ペットトイレも置いて共有トイレにすることも出来ます。猫や小型犬であれば、トイレのドアに猫ドアを設けることで、自由に出入り出来ます。共有トイレであれば、換気扇を新たに設ける必要がないので、リフォーム費用を抑えることも出来ます。

2.人間にもペットにも安心で安全な家にリフォームする方法

ペットが自由に行き来できる居心地の良い家でありながらも、安全な家にするためには工夫が必要です。私たち人間にとってもペットにとっても安心で安全な家にするリフォームのヒントをご紹介したいと思います。

■対面キッチンで危険防止

火や水、刃物を使うキッチンは、ペットにとって危険の多い場所になります。料理中にペットの動きを気にしながら料理することも、効率的ではありません。そのため、キッチン空間に出来るだけペットが入れないような間取りにしておくことは、人間にとってもペットにとっても安全で衛生的です。

その点で、キッチンを壁付けキッチンではなく、対面キッチンにすることは効果的です。対面であれば、リビングなどペットの動きが見えやすいだけではなく、ダイニングやリビングとの間にキッチンやカウンターによる間仕切りが出来ますし、キッチンと横並びで扉を設けてキッチン側にペットが入ってこられないようにすることが出来ます。キッチンや背面収納の下部に食品を収納したとしても、ペットが間違って食べることや調理道具で遊ぶことを防げます。

扉の高さをキッチンやカウンターと同じ高さにするか、それより低くしておけば、圧迫感がなく、空間が間仕切られる間隔も無いので、LDKを開放的なままに保つことが出来ます。キッチンを回遊導線にするのであれば、反対側にも扉を設けて、ペットの導線を遮断するようにしておきましょう。ペットにとって危険な水回りや玄関までの導線をまとめておくことも出来るかもしれません。

ドッグランやペットトイレなど、ペットが自由に入れる場所と、人間だけが入れる場所を自然な形で分けることによって、どちらにも快適さが保てます。

■ペットに特化した建材を活用する

建材メーカーの中には、ペットが快適な暮らしを行えるようにペットに特化した建材が多くあります。

例えば、DAIKENには、マンション用の防音床材でペットの足腰に配慮した、ペット用フローリング『ワンラブオトユカ45』や、耐久性が高く防汚加工が施された畳風床材『ここち和座』があります。

また、サンゲツのクロスには、脱臭や抗菌性に優れたビニルクロスがありますし、リクシルのエコカラットは調湿効果や脱臭効果が期待できます。

リフォームの際には、これらの内装材を取り入れることで、ペットの健康を守るだけではなく、掃除がラクになるなど、私たちの日々の暮らしを快適にもしてくれます。

3. まとめ

家族の一員であるペットが暮らしやすい家にリフォームすることは、共に暮らす人間にとっても快適な家にすることが出来ます。ペットの健康のために、廊下やサンルーム兼ドッグランを設けたり、衛生的で美観を損ねない場所に半畳程のペットトイレを設けたりするリフォームが行えるかもしれません。また、ペットが自由に行き来できる空間と、キッチンなどペットにとって危険な空間を自然に分けることで安心して暮らせます。さらに、ペットに特化した建材を取り入れることで、ペットの健康を守りつつ掃除もラクに行えます。

リフォームによって、大切なペットと快適に暮らす家を実現させましょう。