造作洗面台を含め、様々なタイプの洗面台・システム洗面化粧台があります。色やデザイン、サイズなど家に合う条件や見た目のものを選ぶことは重要です。また、機能の点にも注目して選ぶことが大切です。その中でも電気温水器付きの洗面台をご存知でしょうか?

電気温水器付きの洗面台にリフォームすることで、暮らしが便利にラクになった方もいらっしゃいます。ここでは、電気温水器付きの洗面台がどのような家に便利なのか、リフォームするうえでどんな注意点があるのかをご紹介したいと思います。

電気温水器付きの洗面台は便利!?リフォームの注意点は?

1.電気温水器付きの洗面台はどんな家に便利なの?

そもそも電気温水器とはどのような働きがあるのでしょうか?また、電気温水器付きの洗面台とはどのようなもので、どんな家に設置すると便利になるのかをご説明したいと思います。

■洗面台用の電気温水器とは?

電気温水器とは、電熱ヒーターを使って水を加熱してお湯を作る設備機器です。オール電化の家などでは、電気温水器、もしくは外気を利用してヒートポンプで水を加熱するエコキュートによって、お風呂やキッチンのお湯を作っています。

この電気温水器を家全体のお湯を作るためではなく洗面台のためだけに利用する、洗面台用の電気温水器があります。一般的な電気温水器は大きく家の外に設置しますが、100Vの電源がある部屋であれば、電気温水器を洗面ボウルの下に設置することでお湯が出る洗面台にすることが可能です。TOTOやタカラスタンダード、リクシルなど洗面台を扱っているほとんどの設備メーカーで電気温水器の取り扱いがあり、長方形のタイプや円柱状のタイプなど、どれも小型なので、洗面ボウル下の収納内に取り付けることで目立たないように隠すことも出来ます。

■電気温水器付き洗面台があると便利な家とは?

●洗面台はあるが水しか出ない

冬の寒い時期に毎朝冷たい水で洗顔し、身支度を整えるのが辛いと感じておられるお宅や水だけでは汚れが落ちにくいと感じているお宅では、電気温水器付きの洗面台にすることでお湯の出る洗面台になります。子ども達によっては、冬場、水が冷たくて充分に手洗いをしないまますぐに終わらせてしまっているというケースもあります。ウイルスの感染対策として大切な手洗いを充分に行うためにも、お湯が出るようにすることは冬の感染対策に効果的です。

しかも、小型の電気温水器もあるため、比較的コンパクトな洗面台でも設置できるので、位置を変えることなくお湯が出る洗面台にリフォームすることが出来るかもしれません。

●セカンド洗面台を設けたい

メインとなる洗面台とは別に、2階や玄関ホールなどにお湯の出る洗面台を新たに設けたいものの、ガス管が通っていないと、通すためには大がかりな工事が必要で、リフォーム費用も高額になります。この場合は、簡単に設置できて配管工事を行うよりも安価で購入できる電気温水器付きの洗面台が便利です。

●介護が必要な家族と住んでいる

介護が必要な家族が居て洗面所まで移動するには距離がある場合などは特に、寝室内にお湯の出る洗面台があると自分で身なりを整えたり、口をゆすいだりするうえで便利です。また、寝室で粗相があってもすぐにお湯でシーツや服を洗い流すことが出来ますし、入浴が難しい場合、ベッド上で温かい濡れタオルで体を拭く清拭を行う点で便利です。ベッドわきで見守りながら掃除をしたり簡単な洗い物をしたりすることも出来ます。

2.電気温水器付きの洗面台にリフォームする時の注意点

お湯の出る洗面台に比較的簡単にリフォーム出来る電気温水器付きの洗面台ですが、洗面台選びの点で注意点があります。満足のいくリフォームにするためにどんな点に注意すべきかをご説明します。

■電気温水器設置のメリット・デメリットを確認しておく!

小型な電気温水器は大抵の洗面ボウルの下に設置することが可能ですが、種類によっては引き出しタイプの洗面台には入れることが出来なかったり、収納スペースが電気温水器分狭くなったり、給湯能力上、シャワー水栓には対応していないものがあったりと、希望の洗面台が選べない可能性があることを理解しておきましょう。

電気温水器付きにすることを優先して洗面台を選ぶのであれば、電気温水器のサイズや節水機能など各メーカーを比較しておくと満足のいくリフォームが行えます。また、洗面台を選ぶ際には、下部収納スペースが圧迫されることを意識して、洗面収納が充分に確保されているかを確認することや、足りない場合は、上部や鏡裏に収納棚付きのものを選んだり、洗面台を置くスペースに洗面台以外で収納スペースを確保したりすることで使い勝手の良い洗面台にしましょう。

■造作洗面台の場合は電気温水器の設置位置に注意

電気温水器は、故障や感電、火災の原因とならないように、機器に水をかけたり、洗剤等の濡れたものを置いたりしないように注意喚起が行われています。メーカーの既製品となるシステム洗面台の場合は、電気温水器をボウル下のキャビネット内に設置することが一般的なので気にならないかもしれませんが、人気の造作洗面台にする場合には設置場所に注意しましょう。

長方形のタイプで露出されていると、モノを置きたくなったり、頻繁に水滴がかかりやすかったりする可能性があります。電気温水器の取り扱い上の注意点を踏まえたうで、どこに電気温水器を設置するかを考えて洗面台のデザインや使い勝手にこだわりましょう。

3. まとめ

小型ながら電熱ヒーターで水を加熱してお湯を作る電気温水器付きの洗面台は、水しかでない洗面台を使っておられるお宅や、セカンド洗面台を設けたいものの給湯設備が整っておらずリフォームが大がかりになるお宅、介護が必要な家族の寝室などで活用すると、暮らしが便利に快適になります。電気温水器付きの洗面台にリフォームする場合は、選べるシステム洗面台が限られる可能性があることや、収納スペースが圧迫されることなどのデメリットがあること、造作洗面台では取り扱い上の注意点を踏まえて設置することなどを意識しておくなら、満足のいくリフォームが行えます。

同じ位置で同じサイズの洗面台でも、お湯が出るなど、機能がプラスされることで快適な暮らしを作り出すこともあるので、機能面も意識してリフォームしましょう。

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