2階建て以上の家の場合、階段は上下階を繋ぐ大事な導線になるので、居住空間ではないとはいえ、安全面や老朽化、見栄えが気になる部分です。傷や汚れが目立ってきたり、暗くて雰囲気が悪く感じていたり、幼い子どもがいたり年齢ゆえに上り下りが不安になってきたりと、階段のリフォームを検討する理由は多くあります。

しかし、大事な空間とはいえ、家のメインとは言えない場所に出来るだけお金を使わずにリフォームしたいという方は少なくありません。そもそも、階段のリフォームはどのように行うのか、費用を抑える方法があるのかをご紹介したいと思います。

階段のリフォームってどうやってするの?費用を抑える方法とは?

1.理想の階段にする目的別リフォーム方法とは?

ひとえに階段リフォームといっても様々な方法や種類があります。階段のどんな点が問題になっているか、どんな階段にしたいのか、目的に合わせた方法を選ぶ必要があります。そこでここでは目的別に、どんなリフォーム方法があるのかをご紹介したいと思います。

■見た目を変えてオシャレにするなら『架け替えリフォーム』

階段の雰囲気を大きく変えたり、幅を広くしたり、場所を移動させたりしたいのであれば、既存の階段を一度撤去して、新しい階段を作る、『架け替えリフォーム』を行います。

例えば、両脇を壁で覆われた圧迫感のある階段を開放的なスケルトン階段にする場合や、反対に階段下を収納にするためにスケルトン階段を壁で囲う場合などは架け替えリフォームが必要になります。また、階段のカタチを直線からL字やコの字に変えたり、らせん階段にしたりする場合も架け替えリフォームによって行います。

架け替えリフォームは大がかりな工事になり、階段丸ごとの商品代や作業費がかかるので、リフォーム費用は高額になります。

■場所を変えずキレイにお得にするなら『張替えリフォーム』

階段の位置や構造部分はそのままで、踏み面や手すり、壁などの仕上げ材を変える『張替えリフォーム』は、階段をキレイにしたり補修したりするうえで効果的です。架け替えリフォームに比べ、部材だけの交換になるので、勾配や幅を変える必要がない場合には、張替えリフォームの方が費用を抑えることが出来ます。

架け替えリフォームと比較すると大きな変化を期待できないと思うかもしれませんが、蹴込み部分と踏面部分の素材や色を変えるなど、コーディネート次第で雰囲気を大きく変えることが可能で、家のテイストに合わせることが出来ます。

また、素材を変えるのではなく、既存の階段の上から重ね張りするリフォーム階段は、リフォームに特化した工法として、工事がしやすく比較的安価なので多く用いられています。

■安心な階段に『バリアフリーリフォーム』

築年数の古い階段の中には、一段一段が高く急勾配で危険なので、安全に上り下りできるように『バリアフリーリフォーム』をしたいという方は少なくありません。

安全で上りやすい高さにするためには、架け替えリフォームが必要となります。この場合、一段一段を低く、踏面を足が置きやすい充分な広さの階段に架け替えるため、既存の階段よりも段数が増えて距離が必要となるので間取りにも影響します。1階もしくは2階に階段を伸ばすためのスペースがあるかどうかを確認しておきましょう。また、直線階段ではなく、L字やコの字階段にして踊り場を設けることで、休憩スペースを作ったり、万が一転倒した時にクッションとなるようなスペースを確保したり出来るので、階段のカタチを変えて架け替えることも効果的なリフォーム方法です。

さらに、階段を安全な場所にするうえで、足元にライトを付けたり、室内窓や窓を設けて明るくしたりするだけでも、上り下りしやすい階段にすることが出来るかもしれません。

また、手すりを設けたり、踏面を滑りにくい素材にしたりすることも出来ます。手すりを設置する際には、取付け位置の壁の下地を補強しておく必要があります。これらの工事は、介護保険の助成制度を使うことが出来ます。

2.階段リフォームの注意点

階段リフォームは目的によって工事の方法が違うため、費用や工期に大きく影響します。どんな点に注意して階段リフォームを進めていけば後悔のないリフォームが行えるのか、ポイントをご紹介したいと思います。

■階段の種類でリフォーム費はピンキリに!

架け替えリフォームか張替えリフォームかによっても費用が変わりますが、架け替えの場合だけを比べても、階段のカタチやどんな階段にするかによって費用が変わります。

建材メーカーでは踏板や手すりなどが全てセットになった階段一式の商品が扱われていますが、メーカーやデザインによって価格はピンキリです。カタチはシンプルな直線階段は15万円~と、比較的安いのに対し、コの字階段やカーブ階段、らせん階段などカタチが複雑になるほど高価になり、100万円程になる商品など大幅に変わってきます。。また、同じ直線階段でも、階段下が見えない箱型に比べ、スケルトン階段は、デザイン性が良い分、150万円程と高価になります。カタチ、デザインは同じでも素材によって商品代が異なるので注意が必要です。

架け替えリフォームの場合は、間取りにも影響するので、その部分の内装リフォームも行う必要があるかもしれません。リフォーム費用を抑えたいのであれば、階段のカタチやデザインを意識して選択するようにしましょう。

■リフォーム内容で工期は1日~1か月も違う!?

階段リフォームでも方法や種類によって工事範囲や規模が異なるため、工期も大幅に異なります。

手すりを設けたり滑り止めを設けたりするリフォームであれば、半日程で作業は終わります。しかし、介護保険の補助金の申請手続きを行う場合は、書類作成のためのヒアリングやビフォーアフターの写真を撮って提出するなど、工事以外の手間が必要になります。

さらに、張替えリフォームの場合はリフォーム階段であれば、メーカーによってシステム化された建材を使うので、1~2日でリフォームすることが可能です。素材にこだわって部分的に張替える場合は、もう少し工期がかかるかもしれません。

架け替えリフォームになると階段を作り直すので3日~1週間かかります。間取りの変更に伴って階段の位置を変えて架け替える場合などは、他の部屋の工事の流れに合わせて1ヶ月程かかることもあります。

階段の工事中は上下階の導線が遮断されるので、工期を確認し、家での過ごし方や、荷物の位置を確認しておきましょう。

3. まとめ

階段リフォームは、目的によってリフォームの方法が変わります。階段の種類を一新してガラリとイメージを変えたり、場所を移動させたり、階段の幅や勾配を変えたりしたいのであれば、架け替えリフォームが必要です。しかし、位置や勾配を変えず、キレイにするだけであれば、張替えリフォームやリフォーム階段を使うことで、工期も費用も抑えることが可能です。また、安全な場所にするために手すりを設けたり、滑り止めを付けたりするバリアフリーリフォームであれば、介護保険の補助金を活用してリフォームすることも出来ます。

上下階を繋ぐ大事な導線である階段をキレイに使いやすくするために、目的に合ったベストな方法での工事を選択して、お得に満足のいくリフォームを行いましょう!

祢宜田建設の階段リフォーム施工例はこちら