カフェや古民家など、梁を見せることでオシャレな雰囲気になっている建物は多いので、自分の家でも、梁のある部屋を作ることが出来ないのだろうか、と考えることがあるかもしれません。あえて梁の無いところに化粧梁を設けることも出来ますが、木造住宅であれば、梁は構造体なので、どの家にもあります。特に古家の木造住宅では、多くの場合、立派な木が使われた梁のある家が多いので、梁を活かしたリフォームが行えるかもしれません。

古家の特権とも言える、今ある梁を活かして、オシャレな家にリフォームするためには、どうすれば良いのか、リフォームの注意点とともにご紹介したいと思います。

1.見せなきゃ勿体ない!?古家の梁はオシャレアイテム!

屋根や上階を支え、木造住宅の家を作るうえで必要な梁ですが、最近の多くの家では、天井裏に隠されてしまっています。しかし、構造体である梁をあえて見せるように活かすことで、オシャレな家にリフォームすることが出来ます。その方法と、どんなオシャレな家に出来るのかをご紹介したいと思います。

■梁をどうやってリフォームするの?

現在天井裏に梁が隠れている古家の場合は、梁を活かすために、梁を見せる『梁あらわし』と呼ばれる状態に部屋をリフォームする必要があります。梁を見せるために、天井の仕上げを撤去して天井裏をなくし、屋根の形状に合わせて勾配天井として高く開放的にするか、梁のすぐ上で新たに天井を仕上げるか、もしくは梁の半分だけ見せるような高さで天井を仕上げるなど、梁あらわしにする場合でも、天井の高さを調整して見せ方やインテリアテイストを変えることが出来ます。

さらに、天井裏に隠れていた梁や、既に見えている梁を使う際には、表面を軽く削って整え、木目が見えるようにオイルやワックス、塗装によって仕上げリフォームします。

■梁を活かしてコーディネートできるテイストとは?

梁あらわしは木のもつ温かさや自然の良さを感じることが出来ます。そのため、自然素材の家やナチュラルテイストなど、木素材が似合うテイストであれば比較的どんなテイストにも合わせることが出来ます。その中でも、特に梁あらわしが似合うインテリアテイストには下記の種類があります。

●古民家テイスト:黒や飴色でオイル仕上げや蜜蝋などのワックスで仕上げた立派な木梁を、柱などの構造体と一緒にしっかりと見せて木造ならではのどっしりと落ち着いた空間に仕上げます。

●カフェスタイル:節や木目の分かる梁にペンダントライトやスポットライトを設置し、シーリングファンと組み合わせることで、カフェの温かさや可愛らしさを演出できます。

●北欧テイスト:梁を白木のままで仕上げ木のナチュラル感を出します。北欧テイストには大きな梁よりも、細めのシンプルな梁の方が似合います。

●南欧テイスト:塗り壁やレンガ、タイルなどの自然素材と、ダークブラウンの木梁がマッチします。

好みのテイストに合わせて、梁の色を決め仕上げ方を変えることも出来ますし、梁の形状や太さに合わせて、活かしたテイストに内装をコーディネートすることも出来ます。

2.梁を活かしたリフォームの注意点

木造であれば構造体として必須の梁を活かしてリフォームすることでオシャレな家にすることが出来ますが、中には思ったような雰囲気にならず断念するケースもあります。どんな点に注意してリフォームする必要があるのか、対策とともにご紹介したいと思います。

■思っていた感じと違う場合もある!?

古家では、天然木の自然なカーブや太さをそのまま梁として構造体に活用している場合は少なくありません。その太さやカーブ、木目が美しく、オシャレな梁として空間に映えることもありますが、一方でカーブの雰囲気が部屋のテイストと合っていなかったり、梁を見せることで圧迫感が出たりすることもあるので注意が必要です。また、木目を活かしたナチュラルな塗装で仕上げたいのに、工事中の大工さんや職人さんが残した寸法などの表記が目立ってしまったり、長さの足りない木を金具でつないでいる部分が目立ったりしてイメージと違う場合もあります。

現時点で天井裏に隠れている梁を見せるのであれば、業者さんに天井裏から今の梁の状態を見てもらい、梁を見せることでオシャレになるのか、問題点はないのかを、事前に確認しておきましょう。

さらに、梁そのもののデザインは良くても、見せたい位置に梁がない場合もあります。そのため、部屋の間取りに合わせて梁の位置を確認しておくことも重要です。場合によっては梁を移動させることも出来ますが、屋根や天井を支え、家にとって重要な構造体である梁は、簡単に位置を変えることが出来ません。梁を支えている柱の位置も影響します。そのため、大がかりな工事になりリフォーム費用も高額になります。耐震にも関係するので、梁を移動したい場合は、移動が可能なのか、どんな補強が必要になるのかなどを確認しておきましょう。場合によっては梁を活かすことを優先的に考えるのであれば、梁がカッコよく見える位置に間取りを変えることも出来るかもしれません。

■見えるのは梁だけではない!

梁を見せるようにリフォームする場合、梁の上で天井を仕上げる方法と、吹き抜けにして天井裏をオープンにする方法があります。天井裏をオープンにする場合は、梁だけではなく、電線や給排水管、排気ダクトなど、天井裏に隠れていたものも全て見えてしまうことを意識して、バランスを考えておく必要があります。

天井が高くなり、オープンで開放的になる反面、配線や配管が見えてゴチャついた印象を与える場合があります。インダストリアルテイストなどの無機質なテイストであれば無造作な配線がむしろオシャレになりますが、カフェ風や北欧テイスト、和モダンや古民家テイストなどは、スッキリと見せる必要があるので、配線や配管をどこに通すのか、梁以外の設備の見え方を確認しておきましょう。

加えて、照明器具に関しては勾配天井の場合、天井埋め込みのダウンライトは埋め込む部分が無いため採用することが出来ません。また、天井が高くなるので、照明を取り付ける位置も高くなってしまいます。配線をどこに通すのか、明るさが確保できるのか、照明器具の種類も含めてプランニングすることを忘れないようにしましょう。

3. まとめ

古家の天井裏に隠れている立派な木梁を活かして、梁あらわしにすることで、木の温もりや落ち着きのあるオシャレな家にリフォームすることが出来るかもしれません。天井裏にある梁を見えるようにする場合は、梁の状態や位置、サイズやカタチなどを天井裏から事前に確認しておきましょう。また、梁を見せるために天井をオープンにする場合は、電気配線や給排水管、ダクトなども見える可能性はないか、バランス良く配線、配管が出来るか、オシャレな家にするうえで他の設備の見え方を確認しておくことも大切です。

古家だからこそ出来る、立派で味のある梁を活かしてオシャレな家にリフォームしましょう。