浴室内がキレイでも、頻繁に開閉を行うため、ドアだけが壊れてしまい浴室ドアのリフォームが必要となるケースは少なくありません。同じ種類のドアにリフォームをすることも出来ますが、ドアの種類によって使い勝手が良くなることもあるので、リフォームのタイミングで浴室ドアの種類を見直すことは、暮らしやすい家にするうえで効果的です。
浴室のドアをリフォームするうえで、どんな種類があり、どの種類が使いやすいのか、リフォームのポイントとともにご紹介したいと思います。
1.浴室ドアの種類とメリット&デメリット
浴室のドアは一般的に折戸、引き戸、開き戸の3種類があります。それぞれメリットとデメリットがあり、使いやすさは各家庭によって異なります。ドアの特徴とともに、どのタイプのドアが暮らしや好みに合っているかを確認してみましょう。
■折戸
●メリット
・開閉スペースが扉の半分になり、引き込みスペースの必要がないためコンパクトな浴室にも設置できる
・3つの中では価格が安く、多くのシステムバスで標準仕様として使われている
●デメリット
・折戸部分が浴室内に入るため、出入りの際にスペースが狭くなったり、折戸側の壁面にモノが置けなかったりする
・折戸部分の構造が故障しやすい
・折戸部分に汚れが溜まるうえに掃除がし辛い
・開閉に力が要る
マンションの浴室で一般的に使われていることからも分かるように、1坪以下の浴室の場合は、引き込みスペースが確保できないことから、間口と開閉スペースがコンパクトな折戸が人気です。
■引き戸
●メリット
・開口部分が広くとれる
・開放時に浴室内のスペースに影響しないため、壁面を自由に使える
・開放時にドアが邪魔にならないため、出入りがしやすい
●デメリット
・レール部分に汚れが溜まりやすく掃除がし辛い
・価格が高く、システムバスではオプションになったりハイグレードのものになったりする
・ドアの引き込みスペースが必要となるため、ドア設置部分の壁や浴室が広くなければ設置できない
開口部分が広く、開放時にドアが邪魔にならないことや、開閉時に移動する必要がないことから、子どもと一緒に入浴する子育て世代や、介護が必要な方がいるお宅で人気のドアです。引き戸の中でも、ゆっくり閉まるタイプもありバリアフリー住宅にするうえで適しています。また、開き戸や折戸はドアを開ける時に浴室内にドアが開くため、万が一浴室内で人が倒れた場合、ドアに引っかかって開けられないということがありますが、引き戸であれば、問題なく開けることが出来るので安心です。
■開き戸
●メリット
・床にレールがないため汚れが溜まりにくく掃除がラク
・ドア横の袖部分の壁にFIX窓を設けたり、ドアを総ガラスタイプにしたり、オシャレなデザインのものが多い
・レバータイプのドアハンドルを使えば特に、力が要らないので開閉しやすい
●デメリット
・開き部分となる浴室内にドアのスペースが必要となる
・万が一浴室内で人が倒れると引っかかり開けられない可能性が高い
洋風スタイルのドアで、広い浴室に設置されるということもあり、デザイン性の高いものが多くあります。ドアノブタイプやレバータイプ、プッシュタイプなど、ドアハンドルの種類も選択出来るので、見た目と使いやすさを考えたうえで組み合わせが行えます。
2.浴室ドアリフォームを成功させるポイント
ドアの種類を知ったうえでさらに、使いやすく自宅に適した浴室のドアを選ぶ必要があります。浴室ドアリフォームを成功させるためのドア選びのポイントやリフォームの注意点をご紹介したいと思います。
■掃除のしやすさに注目する!
ドアの種類を選ぶ際には、サイズが適しているかに加え、掃除のしやすさや汚れの付きにくさに注目して選ぶことで、普段のお手入れがラクになり家事の負担を軽減することに役立ちます。
同じ折戸タイプであっても、パッキン部分や換気口部分の汚れが溜まりにくい形状になっていたり、カビが発生しにくい素材のもの、取り外して掃除がしやすくなっていたりするものがあります。また、開き戸に多いガラス部分は、透明ガラスにすると開放的でスタイリッシュな雰囲気になりますが、手垢が残りやすかったり、汚れが目立ちやすかったりするため、樹脂パネルの方が良いと判断する方もいらっしゃいます。
システムバス本体を選ぶ時には、比較的メーカーやデザインにこだわるものの、ドア単体のリフォームになると、ドアの種類だけを決めてメーカーごとの違いに注目していないという方は少なくありません。毎日使ううえ、水垢など掃除が面倒な浴室だからこそ、掃除のしやすさは大事なポイントとなります。ドア単体のリフォームでも、暮らしやすさを求めるのであれば、メーカーごとの特徴を比較したり、ショールームに足を運んだりして、納得のいくものを選びましょう。
■DIYよりも業者に依頼!
ドアを交換するだけであれば自分で出来るのではないか、と思う方もいらっしゃいますが、ドアが開閉しづらくなっている場合などは、ドア本体だけの問題ではなく、建付けが悪くなっていることもあり、原因を確実に分かったうえでリフォームしなければすぐに使い辛くなってしまい意味がありません。
また、水を使う場所なので、取付けが悪いと水漏れが生じたり、浴室内の湿気が漏れたりしてカビの原因になることもあります。
場合によっては、ドアだけではなく浴室を近いうちにリフォームする必要があると分かれば、ドア単体のリフォームよりも浴室全体を一気にリフォームした方が費用も時間も無駄になりません。反対に、プロに確認してもらったことで、浴室全体のリフォームを考えていたもののドアだけで充分なケースもあり、業者に依頼する方が適切な時期に適切なリフォームを安心のうちに行えます。
3. まとめ
浴室のドアのみのリフォームが必要になった場合は、単純に交換するだけではなく、ドアの種類を考えてリフォームすることで、使いやすい浴室にすることが出来るかもしれません。省スペースの浴室に設置する場合や、リフォーム費用を抑えたい場合は折戸タイプを、子育て世代や介護のしやすさを求めるのであればレールが無く掃除がラクで開口部分が広く出入りしやすい引き戸タイプを、開閉しやすく開放的でオシャレなデザインを選ぶのであれば開き戸タイプがおススメです。
種類を含め、メーカーごとに掃除のしやすさにも注目して選ぶことや、プロに現在の問題点を確認してもらって適切な方法や時期にリフォームすることを意識して、使いやすい浴室ドアにリフォームしましょう。