ギシギシと軋んだり、一部が沈んだり、長年使っているフローリングにお悩みではありませんか?
毎日歩く場所は、家具の配置を変えない限り変わらないため、床の同じ場所に荷重がかかっています。床の軋みや沈みは、人が歩く場所で起こりやすくなります。
床の軋みや沈みを解消するのが、フローリングのリフォームです。この記事では、フローリングを比較的リフォームしやすい「重ね張り」について解説します。
フローリングをリフォームする方法は2つある
フローリングをリフォームする方法は、張り替えと重ね張りの2つの方法があります。
張り替えは、既存のフローリングを剥がして新しいフローリング材を張る方法です。フローリングを剥がすため、家具や物の搬出が必要になり、廃材が出るので処分費用もかかります。
一方、重ね張りは既存のフローリングは剥がさずに、上から新しいフローリング材を張る方法です。搬出が難しい物を移動しながら施工することもでき、廃材が出ないので処分費用がかかりません。張り替えよりも費用を抑えてリフォームすることが可能です。
フローリングの重ね張りリフォームのメリット
大掛かりな工事になるフローリングの張り替えリフォームと比べ、重ね張りは比較的スピーディーに安い費用でフローリングをリフォームすることができます。
工期が短い
フローリング張り替えの場合は、既存のフローリングを撤去するために1日かかることも少なくありません。家具の搬出・搬入の時間を考慮する必要もあります。
フローリングの重ね張りも、家具の搬出・搬入はしたほうがスムーズですが、搬出できる場所がない場合は移動しながらの施工も可能です。
既存フローリングを剥がす必要がないので、8畳程の部屋であれば1日で工事ができる場合もあるでしょう。
費用が安い
重ね張りは、既存フローリングを剥がさないのでゴミが出ません。
廃材処分費用がかからず、工程を1つ省けるのでその分費用を抑えられます。
強度と防音性の向上
重ね張りはフローリング材を二重に張ることになるので、強度と防音性の向上が期待できます。
ただし、下地の状態が悪いまま重ね張りをしてしまうと、逆効果になるので注意が必要です。重ね張りができるかは、下地の状態や築年数から判断します。
フローリングの重ね張りリフォームのデメリット
費用を抑え、工期を短くできる重ね張りリフォームですが、床リフォームで本来必要な工程を省いているため、問題点もあります。
段差ができる
重ね張りで一番問題となりやすいのが「段差」です。既存のフローリング材を剥がさないため、新しいフローリング材の分、段差が生じてしまいます。
見た目やホコリがたまりやすいなどの問題もありますが、ドアや収納扉の開け閉めができない、段差につまずくといったことが一番懸念される点です。
対処法としては、重ね張り用の薄いフローリング材を使うこと、段差部分に見切り材やスロープを使うことなどがあります。
下地の状態を確認できない
重ね張りは、既存フローリングの上にそのまま新しいフローリング材を張るため、フローリング材を支える下地の状態を確認することができません。
そのため、下地の腐食やシロアリの存在を見逃してしまうこともあり得ます。
フローリングの張り替えをしたほうがいい場合もある
比較的手軽にフローリングをリフォームできる重ね張りですが、張り替えを検討したほうが良いケースもあります。
カビ臭がする
カビ臭さを感じる場合は、フローリングの下地の状態を確認することをおすすめします。
また、フローリング材にカビがある場合に重ね張りしてしまうと、新しいフローリング材にもカビがついてしまう可能性も。健康被害につながることもあるので、カビがある場合は張り替えを検討しましょう。
底冷えする
冬場の床が冷たく底冷えする場合は、フローリングのリフォームと同時に断熱材を入れることをおすすめします。断熱材を入れる場合は重ね張りの施工はできないため、張り替えリフォームとなります。
床が沈む
少しでも床が沈む場所があれば、下地の状態を確認することをおすすめします。10年以上経過していれば、下地が傷んでいてもおかしくありません。
そのまま重ね張りリフォームをすると、また数年は下地を確認する機会がないため、できれば張り替えリフォームで下地の状態を確認しましょう。
まとめ
フローリングリフォームの費用を抑えられ、工期も短縮できる「重ね張り」。検討の価値が高い工法といえますが、段差をできるだけ抑えたり解消したりすることが大切です。
また、床が沈んだり軋んだりする場合は、フローリングの下地の状態を確認できる「張り替え」が望ましいこともあります。
どちらが適しているかは、リフォーム業者に現地調査を依頼することで分かります。その上で、重ね張りと張り替えの検討をすると良いでしょう。