住宅リフォームでは、水回りやリビング・ダイニングなどが優先されがちですが、階段も大切な場所です。階段を安全に、そしてきれいにリフォームすれば、より快適な住まいを実現できるでしょう。

今回は、階段リフォームにはどのような種類があるのか、注意点とあわせて解説します。

階段リフォームの基本

階段リフォームの種類を紹介する前に、まずは階段の部位の名称を押さえておきましょう。

・踏面(ふみづら):階段の足を乗せる平らな部分

・蹴上げ(けあげ):踏面と踏面の間にある、階段の段差にあたる部分

建築基準法では、踏面は奥行きが15cm以上、蹴上げは23cm以下にするのが決まりです。また階段と踊り場の幅は75cm以上にするとの規定もあります。ただし踏面は15cmでは急勾配になるため、現実的には20cm以上確保することがほとんどです。

なお階段リフォームには、主に以下の2種類があります。

・安全な階段にするリフォーム

・階段の内装を刷新するリフォーム

それぞれどのような内容かみていきましょう。

安全な階段にするリフォーム

まずは、安全な階段にするリフォームの内容を、4つ紹介します。

階段に手すりを取り付ける

手すりを取り付けるのは、階段の安全性を高めるためにはもっとも基本となるリフォームです。現在の建築基準法では、手すりの設置が義務づけられていますが、古い家では取り付けられていないことが少なくありません。

階段は転落すると死亡事故につながる恐れがあるため、手すりの取り付けは最優先で実施しましょう。

階段の踏面を滑りにくい素材に変更する

階段の安全性を高めて転落事故を防ぐためには、踏面を滑りにくい素材に変更するリフォームも有効です。

新築時は安全性に配慮していた階段も、経年劣化により表面がツルツルになってしまうことがあります。そんなときには、滑りにくい素材への張り替えをおこないましょう。

踏面自体に問題がなければ、コルク素材の床材などを上張りすると、コストを抑えられるのでおすすめです。

階段の勾配を緩やかにする

勾配が急な階段は、高齢になると手すりを付けても上り下りに不安を感じることがあります。そのような場合は、勾配を緩やかにするリフォームを実施します。

勾配を緩やかにするには、踏面に厚さ15mm〜20mm程度の板を上張りし、蹴上げの高さを低くする方法がお手軽です。その場合、一番下の段だけ高くなってしまうので、もう1段継ぎ足すことを検討しましょう。

階段にフットライトを取り付ける

トイレや浴室が決まったフロアにしかない場合は、夜間の階段の利用に備えてフットライトを取り付けておくのも安全対策として効果的です。人感センサーで自動に点灯・消灯するタイプを選べば、暗いなかスイッチを探す必要がありません。

ただしフットライト自体は安価ですが、コンセントがない場合は電気工事が必要です。電気工事は有資格者しかおこなえないので、リフォーム会社などに相談するようにしてください。

階段の内装を刷新するリフォーム

階段が古ぼけて、なんとなく薄暗いなと感じるときには、内装を刷新する以下のようなリフォームをおこないます。

階段のクロスを張り替える

経年劣化で階段の周囲のクロスが汚れたり日に焼けて変色したりしている場合は、新しいクロスに張り替えるとイメージを刷新できます。

比較的空間が狭い階段を、少しでも広く見せたいときには、できるだけ明るい色のクロスを選ぶのがおすすめです。階段クロスの張り替えに合わせて手すりを取り付けると、コストを安く抑えられるので検討しましょう。

階段の踏面を張り替える

階段の踏面の劣化が気になるときには、新しい床材への張り替えリフォームをおこないます。

クロスと合わせて明るめの色を選ぶと明るい階段に、暗めの色を選ぶと引き締まった印象の階段になります。階段もマイホームの一部なので、家全体のイメージと合わせることが大切です。

階段リフォームをおこなう際の注意点

階段リフォームをおこなう際の注意点は、2つあります。

1つ目は、階段を使用できない期間を確認しておくことです。

階段リフォームをしている間は階段が使えないので、間取りによってはキッチンやトイレを使えなくなります。工事期間を把握して、どう過ごすかを検討しておきましょう。

2つ目は、安全性を最優先することです。

たとえば床材を選ぶ際は、おしゃれ度よりも滑りにくさを優先しないと安全性を確保できません。手すりについても、見た目ではなく実際の握りやすさを優先しないとかえって安全性を損なう可能性があり危険です。階段は、なによりも安全を確保することを考えてリフォーム計画を立てましょう。

まとめ

階段は、家のなかでは事故が発生しやすい場所です。階段リフォームはついつい後回しにされる傾向がありますが、これを機会にぜひ検討してみてください。

祢冝田建設でも、階段を含めたあらゆるリフォームのご相談に応じています。まずはお気軽にお問い合わせください。