外壁塗装を検討するとき、「どの塗料を採用すればよいのかわからない」という人も多いのではないでしょうか?
外壁塗装に使用する塗料には、非常に多くの種類があり、それぞれ耐用年数が異なります。
また、耐用年数は、長期になるほどメンテナンスサイクルも長く設定できるため、長期的なコストの削減につながります。
そのため、塗料を選ぶときには、耐用年数がどれだけ期待できるのかという点が重要なポイントとなるのです。
そこで今回は、外壁塗装で使用する塗料の種類とそれぞれの耐用年数について、詳しく解説いたします。
外壁塗装の塗料成分について
外壁塗装に使用する塗料には多くの種類がありますが、おもに含まれている成分によって分類されています。
塗料の成分とは、大きく以下の4つです。
・樹脂
・顔料
・添加剤
・希釈剤
これらのうち樹脂は、塗料の性能に影響を与え、耐用年数を大きく左右する主要成分となります。
そのため、どのような樹脂を含んでいるのかということが、塗料の性能を判断するうえでポイントなのです。
塗料の成分である樹脂の代表的な種類といえば、「アクリル樹脂」「ウレタン樹脂」「シリコン樹脂」「フッ素樹脂」などがあります。
外壁塗装の種類について
外壁塗装の種類は、成分のひとつである樹脂の種類や、性能強化のために付加した成分などで分類されています。
塗料の種類と耐用年数、その他特徴について、簡単にご紹介いたします。
アクリル塗料
耐用年数:5~7年程度
アクリル塗料は、アクリル樹脂を主成分とする塗料のことをいいます。
塗料のなかでは最も低いグレードとして位置付けられているもので、材料コストが非常に安いことが大きな特徴です。
過去には外壁塗装としてよく使われていたこともあった塗料ですが、耐久性に乏しいことから、過酷な環境にある外壁で使用されることはほぼなくなっています。
ウレタン塗料
耐用年数:8~10年程度
ウレタン塗料は、ウレタン樹脂を主成分とする塗料のことをいいます。
アクリル塗料に次ぐグレードとして位置付けられているもので、伸縮性があり、また光沢のある塗膜がつくれることが特徴です。
比較的安いコストで施工できる塗料ですが、性能の高い塗料の登場により、外壁塗装としての需要は減少傾向にあります。
シリコン塗料
耐用年数:10~15年程度
シリコン塗料は、シリコン樹脂を主成分とする塗料のことをいいます。
中間程度のグレードとして位置付けられているもので、材料コストと耐用年数のバランスが優れるとして、現在最も人気の高い塗料です。
外壁塗料の種類で迷っている場合は、シリコン塗料を選んでおけば失敗することは少ないでしょう。
フッ素塗料
耐用年数:15~20年程度
フッ素塗料は、フッ素樹脂を主成分とする塗料のことをいいます。
4つの樹脂のなかで最も高いグレードとして位置付けられているもので、性能面では他の種類と比較しても優位にある塗料です。
ただし、材料コストは高額になるため、メンテナンスコストを含めた長期的なシミュレーションを行って検討することが重要になります。
無機塗料
耐用年数:20~25年程度
無機塗料は、従来の樹脂塗料に対し、無機物などの成分を付加した塗料のことをいいます。
無機物は紫外線などの影響を受けて劣化することがないため、きわめて高い耐久性を発揮することが大きな特徴です。
ただし、材料コストは高額であること、また基になっている樹脂成分の種類によって品質が変わる点では注意しておく必要があるでしょう。
ラジカル制御型塗料
耐用年数:12~15年程度
ラジカル制御型塗料は、劣化因子の発生を抑える特殊成分を付加した塗料のことをいいます。
シリコン塗料と同様に、材料コストと耐用年数のバランスが優れていることで、近年になって大きく需要を増やしているものです。
ただし、登場して歴史が浅く、データの蓄積もそれほど多くないため、現段階で、期待される性能が証明されたとまではいえない点では注意が必要となります。
今後も実績を積み重ね、性能が明らかになることで、さらに需要を高める可能性もあるでしょう。
まとめ
外壁塗装で使用されている塗料には多くの種類があり、耐用年数が異なります。
外壁塗装は、大事なマイホームを守る重要な役割を担っているため、長く、快適に使うためにも定期的なメンテナンスが欠かせません。
そのため、メンテナンスコストを考えた長期的な視点で塗料選びをすることが重要なポイントとなるでしょう。