外壁や屋根の塗装工事の見積りが高額になりやすい理由として、足場の設置に関する金額が大きくなってしまう点が挙げられます。
では、外壁や屋根の塗装工事において、足場を設置せず、はしごなど簡易的な方法で行えるものでしょうか？
結論として、基本的に足場の設置は必須となります。
ただし、効率を高め、長期的なコストダウンを図ることは十分に可能です。
そこで今回は、外壁や屋根の塗装工事において足場の設置が必須となる理由と効率アップにより長期的なコストダウンを図る方法について解説したいと思います。
外壁や屋根の塗装工事で足場が必須な理由
外壁や屋根の塗装工事を行うとき、原則として足場の設置は必須となります。
その理由とは、大きく以下の3つです。
・作業員の安全確保
・周囲への飛散防止
・塗装の品質確保
作業員の安全確保
外壁や屋根の塗装工事で足場の設置が必須となる1つ目の理由は、作業員の安全確保です。
外部工事は、基本的に高所作業となることから、建設業で最も多い労働災害である「転墜落」の対策をしながら工事を進めなければなりません。
そもそも、会社が従業員を2ｍ以上の高所で作業をさせる場合、足場を設置しなくてはならないことが「労働安全衛生法」にも定められています。
仮に違反して労働災害が起こった場合、会社と責任者には重大な罰則が科されることもあります。
足場の設置は、作業員が安全に作業するための環境づくりであり、また法律に則った必要な措置なのです。
周囲への飛散防止
外壁や屋根の塗装工事で足場の設置が必須となる2つ目の理由は、周囲への飛散防止です。
外壁や屋根の塗装工事においては、高圧洗浄で汚れを洗い落とし、その後、塗装工程へと移行します。
これら作業は、当然ですが高所で行われるため、周囲へ飛散することがあると、洗濯物などが汚れてしまう可能性があります。
しかし、足場に飛散防止ネットを張ることにより、近隣に迷惑をかけてしまうような事態を防げるわけです。
発生するおそれのあるトラブルを未然に防ぐことも、専門業者の重要な仕事のひとつといえます。
塗装の品質確保
外壁や屋根の塗装工事で足場の設置が必須となる3つ目の理由は、塗装の品質確保です。
塗装工事は、適正な工程をひとつずつ確実に進めていかないと、完成後の安定した品質は得られません。
そのため、細部にいたるまで塗り漏れや厚さ不足が生じないよう、慎重な作業が求められます。
仮に、足場がなく、はしごなどで作業する場合、足元に気を取られて集中力を欠いてしまったり、あるいは手が届かない部位が生じたりする可能性があります。
そうなると、いくら高性能な塗料を採用したとしても、本来の性能を発揮することは期待できません。
むしろ、手直しの発生やメンテナンスサイクルの短縮が生じて、コストアップにつながることも考えられます。
安定した品質と適正なメンテナンスサイクルを守るためにも、足場を設置して確実に施工することが重要になります。
足場設置に関する効率アップの方法
足場の設置コストは、高額ではあるものの、設置しないわけにはいきません。
また、メンテナンスは、長期的に継続して行っていく必要があり、そのたびに足場を設置して施工するため、計画的に取り組むことが重要になります。
足場設置を含むメンテナンスの長期的なコストダウンを図るための効率アップのポイントについて、以下に解説いたします。
高耐久な塗料を使う
長期的なコストダウンを図るには、メンテナンスの回数を減らすことが重要になります。
外壁塗装に使用する塗料にはいくつかの種類があり、できるだけ耐久性の高いものを選んで採用することがポイントです。
材料コストは高くなりますが、メンテナンスサイクルを長く設定できるため、長期的な視点で見るとコストダウンにつながります。
外部メンテナンスを一元化する
外部メンテナンスには、外壁や屋根、雨どい、コーキングなどがあり、いずれも足場の設置が必要となります。
しかし、これらのメンテナンスサイクルにズレがあると、別々のタイミングで行わなくてはならないケースもあり、ムダが生じます。
これらのメンテナンスサイクルが同じ程度になるよう耐久年数の調整をしておくことで、一元化が可能となり、効率化が図れます。
そのため、外部工事を一元的に管理できる専門業者へ依頼することが重要なポイントです。
まとめ
外壁や屋根の塗装工事では、足場の設置が必須となることから、高額になりやすい傾向にあります。
とはいえ、これを省くことはできないため、できるだけ効率よく、計画的に行うことが重要です。
そのため、長期的な視点で管理が行える業者選びをすることが重要になるでしょう。
